清水義範。名古屋出身の作家である。彼の書いた「蕎麦ときしめん」は、数ある名古屋本(なごやぼん。名古屋とはどういうところであるか、ってのを書いた本。名古屋の書店には多数並んでいる。)の原典(原点)となっている。 今回のこの本は、あるノンフィクション作家が、世の「発言したい人」、例えば、出版社に投書する人、テレビ局に抗議の電話をする人、作家に感想文を送りつける人、「自分通信」を発行する人などと出会い、一体彼らが何故発言したがるのだろうか・・・ってのを探る中で、「モノ書きって?」と悟っていく物語である。 今から13,4年前に書かれた小説だ。当時は成立した題材なんだろうけど、今のように個人のHPを持つ人がこれだけ増えてしまうと、そんな疑問を持つこと自体ナンセンスに思える。この作者の本で、初めてツマラナイと思って読んだ一冊となった。 |