サロット・タコチツアー

タコチ」。謎の言葉である。南志賀にある山田牧場スキー場と近くの山の中のツアーコースらしい。サロットで何度かオフ会をやっていたようなのだが、日程等が合わず、今シーズン初めて参加することができた。
一口で言えば、八甲田のように、ゲレンデの裏山をのんびりと滑っていくツアー。

2011年2月19日(土) 快晴

いつも同乗させてくれるぐん車は前泊をつけるとのことで、金曜の夜に会合が入ったおいらとは予定が合わない。ってことで、今回は、初参加のまこりんに同乗させてもらう。
3:30、予定通り、まこりん車でピックアップ。会合でしこたま飲んでいて、仮眠も取れなかったので、目的の山田牧場到着まで、ほぼ完全に意識を失ってました。うーん、ごめんね>まこりん

7:30、ゲレンデの駐車場到着。既に20台ほどが駐車中。車中で仮眠をとる。
8:20、ホテル前に集合。幹事のうえいとからリフト券を受け取る。リフト券には『タコチ』のスタンプが押されている。普段のゲレンデ滑走は手ぶらで滑るのであるが、飲み物、食料等を入れたウエストポーチを腰に巻いての滑走である。

タコチコースのオープンの10:30まで、山田牧場で足慣らし。リフト3本の小さなゲレンデ。もっとうらぶれたゲレンデかと思ったが、若者も多く、スプリングバレーくらいの感じか。
22名のオフ会だが、それぞれ好き勝手に滑る。おいらは初ヤマボクのまこりんと2人で端から順に。前日に10センチほど降ったそうだが、あまり雪質はよくない。ようやく一か所だけコース脇にパウダー発見。まあ、天気がここまで良く、どの位置からも南アルプスがきれいに見えるのだから我慢しなけりゃ。

ニュー笠岳」という名のロッジがあり、何故?と思ったら、ヤマボクの頂上から笠岳が目の前に見えるのでした。直線で2キロ弱。前週に滑っていた木戸池からも4キロ足らず。「直線で2キロなんですけどねぇ、車だと小布施回りで50キロ以上あるんですよねぇ。おかしな話ですよねぇ・・・

何本か滑るうち、うえいとから「混んでくる前に、早めにタコチへ入ります。」との電話。タコチ入口に急ぐ。入り口では仲間が5,6人「まだ、入らないのかな。」と待っている。「さっき、『先に入る』って連絡があったよ。」「えーーーーっ。」
ということで、数名でタコチコースに入る。そもそもなんで「タコチ」なのか。よくわかりませんです。



 早朝の圧雪作業


 この日唯一のヤッホー


 いざ、タコチへ


前日の積雪が数センチかぶっており、良さそうに見えるが、クラスト状の雪は滑りにくいことこの上なし。自分の板がコントロールできず、思いっきりハの字にして回すか、テールジャンプを繰り返さないと、あらぬ方向にいってしまう。疲れる。

スキー場のHPによれば、タコチコースは「標高1,750mのヤマボクワイルドスノーパークから標高950mの山田温泉スキー場まで標高差800mを滑り降りる」「オフピステを走り抜ける全長13キロメートルのビッグなスケール」「これだけの距離が最後まですべて下りで滑れるコースは日本でもここだけ」なのだそうな。確かに八甲田はロープウェイを降りてから、登りがあったもんなぁ・・・。
13キロとは、林道を道なりに滑った距離で、ショートカットすると短くなる。林を切り開かれて「どうぞ、ショートカットを」というところだけでなく、ちょこちょこと林の間に入ってみる。雪が悪く、かなり苦労はしたが、達成感はある。

今シーズンは不整地ばかり滑っている気がする。新しい板の操作性がよいからなのだろう。
ショートカットすればするほど、林の中で苦労するので、皆からはかなり遅れる。誰もいない、初めてのツアーコースは少々不安だが、いざとなれば林道を行けばよい。
コースを滑りきると、シャトルバスの発着所である山田温泉スキー場に出るが、最後の600メートルは板を担いで登らなければならない。黙々と歩くこと10分。これさえなければねぇ。

シャトルバスはチケット制(300円)で、座席分しか乗せず、先行組を見送る。山田温泉スキー場は、リフトがなくトロイカと称するケーブルカーで登る子供ゲレンデのみ。時間のつぶしようもないな・・・と思っていたら、増発便が出た。滑走30分、シャトルバス30分といったところだろうか。



 タコチはこちら・・・


 林間コースをショートカット


 シャトルバスで移動中


ヤマボクで先行組にようやく追いつき、タコチ入口で集合写真なんぞも撮ってから2本目のスタート。多少コースも判り、沢の位置もだいたい把握できたので、1本目よりも冒険。おかげで、スタートは同じでも結局、最後尾・・・。
今回は全員同じバスに乗れたので、黒糖、ちんすこう、ウィスキーなどを回して、車内でプチ宴会。ヤマボク到着は12時過ぎ。このタイミングでタコチ2本終了は、結構頑張った感じ。

昼食は、宿泊先であるレッドウッド・インでとりたかったが、満席でしばらく待つとのこと。朝食抜きのおいらは我慢できず、他のメンバー6名ほどで「見晴茶屋」へ。昔ながらのゲレ食(看板には「ミニ・ドライブイン」とあったが・・・)で、まずは瓶ビールともつ煮。乾杯を重ね、最後はカレーライスで空腹を満たす。カレーは具がゴロゴロした懐かしい味。店の内装も味がありました。(「食券売場」の表示が、半紙に習字のように書かれていて、立派な額に入れられているんですわ。)

さて、ちょうど1時間の昼休みを終え13:45再びゲレンデへ。
仲間が「雪の中に缶ビールを埋めてきた」そうで、それならば「回収しに行きましょう」。10名ほどでタコチへ。午前中は先を急ぐだけだったので、今回はのんびりと休み休み、景色を楽しみながら。
回収したビールを回し飲みしながらプチ・ゲレンデ宴会。マーマレードをクラッカーに載せて皆さんに食べてもらう。黒砂糖も評判がよかった。ゲレンデへはチョコレートじゃなくて黒砂糖を持っていこう。




 見晴茶屋のカレーライス


 タコチ3本目


 ゲレンデ宴会

このとき、ゲレンデに残っている組から連絡がはいったけど、携帯のアンテナが立っていたのは、おいらのmovaだけ、FOMAもauも全滅でした。mova、やるじゃん・・・(笑)

のんびり滑って、坂道を登ったら、ちょうどシャトルバスの増発便が出発準備中。慌てて乗り込むと「ぴな(本名)さん・・・」と声をかけられる。
15年ほど前に仕事でお付き合いのあったSさんがご主人と一緒に滑りに来ていたのでした。当時は仕事仲間で滑りに行ったこともあったな。その後、お互い仕事が替わり、東京で一度飲んで以来、実に5,6年ぶりだろうか。いやぁ、日本は狭いなぁ。ご主人は初めてお会いする方。我々9人が駆け込むまで、待ち客が10名足らずだったが彼女が増発便の交渉をしたのだそうな。いや、さすが。

ヤマボクに戻り、Sさんご夫妻と一緒に滑らせて頂く。二人とも、かかとが上がる山スキー。そっちの世界に入ったのねぇ。タコチ終わりの上り坂も、ご主人は板をつけたまま、ひょいひょい上ってきたそうな。

2本滑って小布施泊まりとのお二人と別れ、16:00過ぎにようやく宿へ。



 林道コース


 このスキーヤーに注意


 Sサンご夫妻と


部屋に入り、着替えて、さて、ひと風呂、と思ったら「今、激混み」とのことで、幹事部屋でささやかに始まっていた飲み会に合流。
スコッチをごちそうになり、海ブドウを持ち込む。宿の夕食が豪華らしいので、なるべくおなかに隙間を残しておかなければならない。
風呂から上がってきたメンバーが続々と合流し、最後は10畳ほどの部屋で20人近くが酒盛り(笑)。定員30名の宿だから、風呂は空いているな、と温泉へ。
案の定、猫が一匹いるだけで、他には誰もおらず貸切状態。ネコは「温泉にゃんこのタロー」だそうで、この宿の人気者だそうな。おいらが入ってる間、脱衣場のファンヒーターの前でのんびりしてました。

先ほどのSさんが「木をくりぬいた露天風呂がいいそうですよ。」と言ってたので、内湯でかけ湯をして露天へ。10メートルほど歩くと、red wood(宿の名前にもなっている。セコイアのことらしい)をくりぬいた直径4メートルほどの風呂桶に硫黄泉がかけ流し。
ゲレンデが一望でき、雲一つない空には宵の明星がキラリ。湯船でのんびりストレッチしていると、だんだん暗くなり、空の星が増えてくる。ゲレンデでは圧雪車のライトがキラキラ。これだけでも幻想的だが、何やら『気』出てくる。普段、「いい湯だな。」で終わってしまうけど、いったいどうしたのか。別グループのお客さんが一人入ってきてたので、「この木、凄いですよねぇ。」と話しかけると「何でも、樹齢1650年らしいですよ。」とのこと。ひえーーー。こりゃ、「『気のせい』ではなく『木の精』が宿ってるな。」



 スコッチと海ぶどうのマリアージュ?


 「こどもののみもの」!


 ゴールデンアワーの露天風呂



30分以上のんびり浸かって、宴会部屋に戻り、風呂上りのビールを頂くうちに、ようやく19時の夕食タイム。
ビールで乾杯して、食事が始まる。ここは、コース料理が、順番にサーブされてくる。前菜、てんぷら、魚料理、肉料理・・・。そのたびに、皆、「白ワインが飲みたい」「赤ワインがほしい」。結構な量のワインが開いたようである。最後のデザートまでたっぷりと時間をかけて料理を楽しむ。

夜の宴会は、レストランの片づけが終わってから・・・とのことで、こんどは5名ほどで露天風呂へ。これだけの人数が使っても、全く余裕の広さである。雪に大の字になる仲間も出てきた・・・。オリオン座は低い位置に移動しており、皆で時間を忘れて語っていたら「宴会の準備できましたよぉ。」と声をかけられて、ようやく風呂から上がる。


 食事開始


 宴会中!


 All Knto Bath meeting


宴会参加は10数名ほど。残りは沈没してしまったらしい。またまた、海ブドウに、ミミガーの燻製を持ち込む。酒は持ち込まなかったが、焼酎や、ワインが後から後から。足元がモゾモゾすると思ったら、黒い大きな犬。ラブラドルかなぁ。これまたタローと同じく、人懐っこいワンちゃんで、おいらの手をぺろぺろ。ミミガーか黒砂糖の匂いにひかれたのだろうか。余り人間のものを上げてはいけないので、少しだけ黒砂糖を掌に載せてあげると、うれしそうにペロペロ。

宴会では、例によって取り留めのないお話。最後はたけのこニョッキ大会。とはいっても、全日本大会ではなく、練習戦でした。

23時、レストランは朝食の準備が始まるため、お開き。場所をおいらたちの部屋に移して7,8名で3次会。ワインが何本も空きました。ここでは、昔懐かしいクイズ番組やゴールデンスランバーのDVDなんぞも見てましたが、日付も変わりお開きに。最後に缶ビールを持って、露天風呂で4次会をやり宴会終了。横になろうとしたら、タローが布団の中に入り込んできました。どこまで人懐っこいんだろう・・・。



 乾杯にゃんこ


 食堂わんこ


 露天で乾杯

20日(日)快晴

この日も快晴。
朝食は8時。和食と洋食が選べたので、迷うことなく和食。塩鮭、具だくさんの味噌汁、納豆、温泉卵に小鉢がいくつか。お代わりまでして、食後に入浴&二度寝。
そうは言っても、これだけ天気がよく、ゲレンデは目の前・・・。

結局、9時半にはゲレンデへ。さすがにタコチは、昨日よりもさらに雪の状態が悪くなっているだろうから、ヤマボクで圧雪された中・緩斜面を楽しむ。志賀に転戦した2名の他、ゲレンデに出てきたのは10名ほど。前日にもまして、雲のない青空を楽しみながら、半日券でのんびりと滑走。
第3日曜日のこの日は「スキー子どもの日」で小学生以下はリフト券無料。だから・・・というわけでもないのだろうけど、地元の競技スキーの子供たち20名ほどがレッスンを受けていた。まだまだ、おっかなびっくりの子から、ガンガン飛ばす子まで、いろいろな子供たち。一番おいしいバーンにポールを張られちゃったのは少々残念だが、リフト乗り場・降り場でもきちんと挨拶をしているし、真剣な表情なので、応援したい気持ちにもなる。

10名は、それぞれの帰る方向や午後の予定を勘案して、一人減り、二人減り・・・。おいらとまこりんは、のんびりと大回りを楽しみ、丁度2時間で滑走終了。
11時半に宿に戻り、露天風呂をこれまたふたり貸切状態で楽しむ。中年のおっさん2人、ついつい「あーーーっ」と声が出てしまう。この二日、少々悪い雪でさんざん傷めつけた下半身がゆっくりとほぐれていく。

荷物をまとめ、昼食は前日のリベンジでレッドウッドインで。おいらは、「和牛をじっくり煮込んだ特製辛いカレー」を頼む。二日続けてカレーなのだが、そもそも、この辛いカレーの文字で前日もスイッチがはいりカレーにしちゃったので、仕方がない。ドライバーのお許しを得て、ビールを一杯だけ注文。すいすいと入ってしまう。カレーは、じんわりと後からピリッと辛さが来る上品な味。見晴茶屋のカレーとは全く違う食べ物だが、どちらも美味しい。




 宿の前にて


 2日目も良い天気


 レッドウッドインのカレー


食事も終え、13時にはヤマボク発。道中は驚くほど渋滞もなく、快調に東京を目指す。途中で休憩に入った寄居PAがなぜか駐車場が満車に近い混み方。降りてみてびっくり。PA全体がフランスの街っぽい。「星の王子様」をテーマに作り替えたのだそうな。まさに「テーマパーク」。
建物だけではなく、歩道部分の舗装やガードポール、車いす用の斜路まで、それらしく作りこまれてる。
高速のSAに必ずある、うどん・そばはないし、「地元の名産品」や「ご当地キティ」も置いてない。凄いや。

練馬に近づくにつれて渋滞が始まり、出口渋滞、谷原交差点の渋滞等もあり、拙宅着は17:40。ちょうど、大喜利が始まった頃でしたとさ。

【データ】

滑走日 :2011年2月19〜20日(シーズン通算滑走日数17日)
ゲレンデ:山田牧場、タコチコース
リフト待:3,4分程度(団体とぶつかったときの第3リフト)
宿   :レッド・ウッドイン
ゲレ食 :レッ・ドウッドイン 和牛をじっくり煮込んだ特製辛いカレー(980円)

【おこづかい帳】

ツアー費 :21,700円(1泊2食、夕食時の飲み代、リフト券1日半)
交通費  : 6,000円(往復高速代、ガス代割り勘)
 計   :27,700円


シーズン累計:240,300円



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